凍牌~裏レート麻雀闘牌録~
どうしたの― 震えてるよ
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第1話 少年
深夜の雀荘で麻雀に興じる、いかにもガラの悪い男たち。そんな場所に似つかわしくない、制服姿の少年がいた。大人たちに交じって麻雀を打ち、負けが込んできた少年は本原という男に一発逆転をかけた勝負を申し込む。記憶力に絶対の自信を持つ本原は自分が負けるはずがないと高をくくっていたが、常人離れした記憶力を発揮する少年の前にあえなく撃沈。その少年の通り名は「氷のK」。彼と裏レート麻雀との出会いは3か月前に遡る――。
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第2話 少女
インターネット麻雀で知り合った「まっちゃん」から初めてのリアル麻雀に誘われたケイ。しかし、まっちゃんはマトモな社会の人間ではなく、はじめからケイをカモにするつもりだったのだ。タガログ語で会話するまっちゃんたち3人のチームプレーに翻弄され、ケイは次第に追い詰められていく。そんなケイを救ったのは、アミナという少女の発した一言。大逆転で勝利したケイだったが、彼が欲したのは金ではなく意外なものだった。
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第3話 堂嶋
ケイはアパートの部屋で段ボール箱いっぱいの札束を見せる。それは賭け麻雀で稼いだものだったが、「お金より命だいじ」というアミナの心配をよそにケイはまたも高レートの卓へと出向いていく。そこで待ち構えていたのは堂嶋という男。衝撃的な出会いを果たした堂嶋との再戦に、ケイは静かに闘志を燃やしていた。堂嶋が用意した1億に対して、ケイの持ち金は3千万。互いの有り金全部を賭けて戦うデスマッチ、勝つのはどっちだ!?
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第4話 畑山
「賭け麻雀はもう潮時」――そう思うケイだったが、関からの電話はやはり断れず、畑山という男とコンビで代打ちをすることに。勝てば報酬は2千万、ただし負けた場合には足の指10本を奪われる大勝負に挑むケイ。しかし肝心の畑山は勝負の前でもグーグー寝ているような、のんきな男だった。しかも、コンビ打ちにも関わらずケイと足並みを揃えようともしない。だが、ケイが自分から役満を上がったことで畑山の目つきが変わっていく。
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第5話 小指
「一軍」入りの最終テストを受けさせられるケイ。目を覚ましたときには、無残にも左足の小指が切断されていた。再接着までのタイムリミットは残り約4時間。雀荘で1万円を2万円に増やせば小指を取り戻すことができるが、麻酔と痛みでうまく頭が回らない。ケイは傷口に塩を塗ることで強引に頭を覚醒させ、改めて勝負に挑む。しかし、そこに堂嶋が現われ、ケイと同じ卓で打つことに。刻一刻と時間が迫るなか、ケイは強敵とどう戦う?
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第6話 選択
ケイが「一軍」となってから1か月。代打ちとしての役目を着実に果たしていくケイに、桜輪会の柳も一目置くようになっていた。そんなとき「一軍」から選抜メンバーを決めることになり、ケイは見事に競争相手を打ち破る。しかし、ケイの必死な戦いぶりに高津は疑いの眼差しを向けていた。関とつながっているケイには、何か裏があるかもしれない。事実、ケイはアミナの家族ビザが取れると関に言われ、そのために桜輪会に潜入したのだ。
作品詳細
金、女、臓器。欲望蠢く裏レート雀荘を荒らし回る高校生の少年・ケイは、冷徹なる思考、冷艶なる打牌から、裏世界では“氷のK”と呼ばれ、自宅には少女を飼っていると噂される。