異世界失格
恥の多い第二の生涯が始まる。
- エピソード
- 作品詳細
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第1話 心中せねば!
愛するさっちゃんと手を取り合い、心中という本懐を遂げようとしていたセンセーは、走ってきたトラックに轢かれてしまう。気がつくとそこは――異世界。女性神官アネットは、センセーが闇に閉ざされた世界・ザウバーベルグを救う勇者となるべく選ばれ、転移したことを伝えるのだった。
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第2話 棺桶の寝心地を教えてあげようか?
アネット、タマとともに冒険を始めたセンセーは、活気あふれるロート王国の城下町を訪れ、国王トマスに謁見する。旅人の話を聞くことが何より好きなトマスはセンセーたちを歓迎するが、その愛娘シャルロット王女は浮かない顔をしていた。
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第3話 僕はいつでも死ぬ覚悟はできている
この世界にある4つの聖堂を巡れば、センセーの探し人であるさっちゃんの情報が得られるだろう。そう考えたアネットは、手始めにツヴァイテン聖堂を目指す。だが、その道中で、獰猛なドラゴンを連れた少女と遭遇。最初は親切に助言をくれた少女だったが……。
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第4話 自殺は、いけない
「これよりこの世界は、我ら転移者たちが統治する新時代――すなわち、大勇者時代となる!」。魔王を倒した転移者の一人であるスズキと腰巾着のコータローが魔物を使役し、ヴェールの街は阿鼻叫喚の地獄と化した。その魔の手は、アネットとタマにも及び……。
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第5話 僕は死にたい人であって、死人ではない
ウィリディスの村で宿を取ることにした一行は、腕に自信のないパーティに用心棒として転移者を紹介するサービスをしているという少年・ニアと出会う。戦力を欲していたアネットは「センセーの安全を考えれば安いものだ」と大枚をはたくが……。
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第6話 食べられたき者、城下より来たり
剣士見習いのニアがパーティに加わり、一行はタマの故郷・グリューン王国へ。だが、城に着くや否や拘束されてしまう。心当たりなどないまま国王サイベリアンに死刑まで宣告され、戸惑うセンセーたちであったが、やがて衝撃の事実を目の当たりにする……!
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第7話 また死刑にでもするかね?
国王サイベリアンが敗北し、グリューン城はカイバラの手に落ちる。だが、タマは亡き兄に代わり自分が国を守り戦うのだと、父のもとへ駆けつけた。そんな勇猛な王女の姿に舌なめずりするカイバラ。底なしの欲望が、タマに迫る……!
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第8話 あの穴はすごく、背徳の匂いがする
旅人に加護を与える世界樹の麓にある村・トネリコでは、人々が自然と共に慎ましく暮らしているという。だが、そこを訪れたセンセー一行が見たのは、賭博場がにぎわい、ガラの悪い男たちが闊歩する荒んだ光景だった。「どうか、この村をもとに戻してくださらんか?」と村長に頼まれたセンセーは……。
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第9話 僕を一塊の灰に変えるがいい
ドリッテン聖堂を目指し、見渡す限り何もない灼熱の砂漠地帯を進むセンセーたち。幸い、ここを故郷とするニアには砂漠での心得があった。だがそこに、サソリの魔物に乗った堕転移者の率いる暴走集団が襲いかかる……!
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第10話 きちんと僕の命を奪わなかったことは、本当に猛省したまえ
東ゲルプ大砂丘では、ゲルプ王ドランが指揮するドワーフ軍が「憂鬱の堕天使」センゴク率いるリザードマンたちと激しい死闘を繰り広げていた。砂漠を彷徨っていたセンセーたちは、ドランに加勢する颶風の大魔道士・ヴォルフが放った「狂風」の煽りを受け……。
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第11話 君の物語を書き終えるまでは、死ぬわけにいかない
ドリッテン聖堂へ駆けつけた一行に、ユリコの操る骸骨兵たちが襲いかかる。「頼むユリコ…やめてくれ」。囚われたヴォルフは、ただ苦悶の声を漏らす。「お前とヴォルフの間に、一体何があった…」。イーシャに問われたユリコは、恩讐を湛えた暗い瞳でその過去を語り始めるのだった……。
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第12話 (最終話) 今度こそ絶対死にたい
ユリコを元の世界へ送り返し、勝利のままに城へ戻ろうとした一行の前にセンゴクが立ちふさがる。その力は圧倒的で、ヴォルフの魔法もタマの奥義も通用しない。絶体絶命の窮地に、ニアの振るう一閃がセンゴクの剣と交差する……!
作品詳細
とある文豪と、その愛人がこの世を去った。憂い多き人生の如く渦を巻く激流へと身を投げ…るよりも早く、猛スピードで突っ込んできた“例のトラック”によって。文豪が目を覚ますとそこは、異世界の教会。案内人は、慈愛に満ちた瞳で微笑みかける。「ようこそ冒険者よ。あなたは選ばれ、転移したのです」御多分に洩れず、勇者の使命を背負わされてしまう文豪。だが、彼は転移者の誰もが与えられる“あるもの”を持たなかった……。「…ふふ。恥の多い生涯だ」この世でも、異世界(あの世)でも<失格者>の烙印を押された文豪(センセー)の冒険が幕を開ける。きっと、どこかにいるはずの「さっちゃん」を見つけ出し、今度こそ、あの日の本懐――心中を遂げるために。