AYAKA ‐あやか‐
少年は還る、運命が導く場所に“あやかい”島で紡がれる、魂と絆の物語――
- エピソード
- 作品詳細
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第1話 お前ちょっと飛んでみろ
とある事情から、出来るかぎり人と関わらないように生活している内気な少年、八凪幸人。児童養護施設で暮らす彼は、中学卒業を機に生まれた島に戻ることになっていた。しかし卒業式を終えた幸人を迎えに来たのは、缶チューハイ片手に塀の上でヤンキー座りをした見るからにヤバイ青年――亡き父の弟子を名乗る沙川尽義であった。
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第2話 さすがに飲み過ぎた
綾ヵ島での生活を開始し、自らの力をコントロールするため、尽義の弟子となり脈接ぎの修行をおこなうこととなった幸人。金欠の尽義に付き合わされ、脈接ぎの初仕事として『ミタマ鎮め』をおこなうことに。しかしミタマ鎮めの依頼が集まるポストでは、尽義の兄弟子の弟子――茶太郎と夜胡が仕事の取り合いをしており……。
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第3話 色々あんだよ。あの二人には
稲生市長への挨拶のため、尽義と共に綾ヵ島の中で最も栄えている一ノ島へやってきた幸人。観光地として整備され、綺麗で活気ある街並みに目を輝かせる幸人だったが、そのとき多くの観光客が集まる広場に悲鳴が響き、アラミタマが出現する。おののく幸人の前で、アラミタマを銃撃によって祓ったのは、尽義の兄弟子・伊吹朱であった――。
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第4話 お前なら出来るはずさ
尽義の兄弟子である火泉神社の鞍馬を訪ねる幸人と尽義。海列車で火泉神社のある三ノ島へ着くと、鞍馬の弟子である茶太郎と夜胡が迎えに来てくれていた。参道を登りながら2人と交流を深める幸人。また幸人は、神社で待っていた鞍馬に対し、一ノ島で見た伊吹の脈接ぎについて意見を求める。鞍馬はミタマとはなにか、命脈とはなんなのかを語りはじめるのだった。
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第5話 じゃ、お酒のお金ちょうだい
綾ヵ島に地震が頻発していた。そんな中、尽義は幸人を師匠であり、幸人の父である八凪真人の墓参りに連れて行く。真人の墓に行くと、次々と島民が集まってきて、ワイワイと楽しく酒盛りをはじめてしまう。そこで幸人は島民や尽義から、綾ヵ島に伝わる龍の伝承や歴史、父の真人について話を聞くのだった。その時、アヤカセキュリティに所属する少女、いばらが通りかかり……。
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第6話 師匠がいたら大目玉だな
観光区域である一ノ島に突如出現した巨大アラミタマ。幸人は1人でアラミタマに突っ込んでいったいばらを助けるために走りだす。危機に陥っていたいばらをギリギリで助け、合流した夜胡と茶太郎と共に巨大アラミタマの対処を試みることに。力を合わせ、どうにかミタマ鎮めに成功した4人。喜びを分かち合っていた矢先――彼らの頭上で巨大な炎が渦を巻く。
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第7話 昔話とかいいからさ
これは八凪真人がまだ生きていた、十年以上前の出来事。ミタマ鎮めを終えて帰宅した真人と、まだどこか幼さの残る鞍馬と伊吹。彼らを出迎える尽義と幸人。共に食卓を囲み、時に喧嘩をし、叱られ、拗ねて、そして笑う。八凪真人という師匠の元に集った彼らの間に血のつながりなどなくとも、まごう事なき『家族』であった。
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第8話 いい顔するようになったじゃねえか
幸人の携帯に茶太郎から、火泉神社で行われるお祭りへの誘いが入る。夜胡といばらも含めた4人で行くことになり、出来たばかりの友人と過ごす夏祭りに期待を膨らませる幸人。お祭り当日、尽義から渡された父が使っていたお面を手にお祭り会場へと向かった幸人だが、その瞳には不気味な前兆が見え隠れするようになっていた。
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第9話 笑いごとじゃねえや
祭りの最中、突如として轟音を響かせた四ノ島。それは十年前を思い起こさせる大規模な噴火であった。避難を急ぐ島民たち。しかし、そんな事態にもかかわらず、尽義が意味深な問いを幸人に残し、ふらりと姿を消してしまう。一方、喧噪の消えた祭り会場で、鞍馬は長い間隠されていた真実に気付く。「そうか……そうだったのか、幸人くん……」
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第10話 一緒に行ってやるからさ
10年前に八凪真人が命と引き替えに行った『龍を鎮める儀式』に挑む鞍馬と伊吹。しかし逃げるように伝えたはずの、それぞれの弟子と幸人が駆けつける。言うことを聞かない弟子達に覚悟を決め6人で龍へと挑むが、龍の力は強く、じりじりと追い詰められていく。……ここまでか。誰もがそう思った時、聞き慣れた飄々とした声が聞こえ――
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第11話 幸人、飛んでみろ!
水の龍として覚醒した幸人は、荒れ狂う火の龍と対峙する。激しい雷雨をまといながらぶつかり、競いながら調和を取り戻していく。そしていつしか雨が上がり、煙が晴れると、幸人が湖畔に立っている。そして、幸人の前には、大の字になって寝転がる尽義。どこか満足そうに笑顔で眠る自らの師匠に幸人は何度も呼びかけるが、彼が応えることはついになかった。
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第12話 (最終話) 恥ずかしいこと言ってんじゃねーよ
尽義を助けるため、家を飛び出した幸人。龍となり、空を駆け、真っ直ぐに火山口へと向かう。命脈を感じ取り、尽義がいる場所へと飛び込んでいく。しかし命脈はあまりにも広大だった。どうすれば尽義を見つけられるのか。途方に暮れる幸人は不意に誰かに呼び止められる。見覚えのあるお面をつけたその男は八凪真人――幸人の父であった。
作品詳細
八凪幸人は、本土の児童養護施設で育った少年だったが、ある時亡き父の弟子であるという傍若無人な青年・沙川尽義がやってきて、幸人を故郷である綾ヵ島に連れ出してしまう。七つの島が連なる綾ヵ島は、火と水の龍の伝説が色濃く伝えられ、「ミタマ」と呼ばれる不思議な存在が当たり前 のように生息する奇妙な島だった。幸人は、綾ヵ島の調和を守る仙人であったという父の三人の弟子たちと関わりながら綾ヵ島で暮らし始める。だが尽義の二人の兄弟子である鞍馬春秋と伊吹朱の間には深い確執があった。調和の崩れ始めた「あやかい」島で、幸人が直面する真実とは――、魂と絆の物語――