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2021年 4話
富豪村
漫画家・岸辺露伴は、担当編集者の泉京香との打ち合わせで、京香が山奥の別荘を買う話を漫画にしないかと提案される。その別荘地には、世界的大富豪11人が住んでおり、元々はいずれもごく普通の生活を送っていたのだが、25歳の時、この別荘地の購入を機に全員成功を収めていったという。その奇妙な土地が800坪・300万円という破格の値段で売りに出されているのだ。彼らが成功した年齢と同じ25歳の京香は、自分がこの別荘を買うところを取材してみないかと露伴に持ちかける…。大富豪たちの成功は偶然なのか…それとも何か裏があるのか…。好奇心にかられた露伴は、彼女の付き添いとして、謎の「富豪村」へ同行する―。
六壁坂
漫画家・岸辺露伴は読み切りの打ち合わせにきた漫画編集者の貝森稔に原稿料の前借りを申し出る。妖怪伝説の漫画を描くために取材を行っていたところ、その土地に開発業者がリゾート道路を通そうとしていたため、周囲の山を6つ買って阻止したらリゾート計画で高騰していた地価が暴落、破産したと言うのだ。あまりの内容に貝森は呆気にとられるが露伴は「ちゃんといたんだから取材の価値は十分にあった」「『六壁坂』の妖怪は今もそこにいる」と続け、彼が取材で訪れた六壁坂村で数年前に起こったある事件と取材時に起きたある出来事を語り出す。
懺悔室
漫画家・岸辺露伴は、取材旅行で訪れていたイタリア、ヴェネツィアの教会内にある「懺悔室」を取材していた。懺悔室とは自分の犯した『あやまち』を神父に告白し、魂を浄化する場所。その叡知に興味を抱いた露伴は、自ら告白を体験してみようと試みる。しかし露伴は誤って本来神父のいるべき部屋に入ってしまい、懺悔する者の部屋にはひとりの男が入ってきた。「体験はリアリティを作品に生む」。好奇心に駆られた露伴は、男の懺悔に耳を傾けることにする。そして男は、ある恐怖の物語を懺悔し始める。
ザ・ラン
杜王町から原宿へ遊びに来ていた橋本陽馬は、モデル・プロダクションのスカウトから声をかけられる。そこからモデルの仕事を始めた陽馬は、「プロのモデルは肉体を鍛え上げなければならない」というプロダクションからの教えに感化され、トレーニングに没頭し始める。杜王グランドホテルのジムで陽馬と出会った漫画家・岸辺露伴は、些細な会話から陽馬とあるゲームを始めることになる。「時速25kmまで加速したランニングマシンで、どちらが早く緊急停止ボタンを奪って押せるか」。勝負に対し異常な執念を見せる陽馬の身体に、ある変化が現れ始めた。
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