三国志 ~司馬懿 軍師連盟~
中国の三国時代に最大の国家として君臨した「魏」を導いた軍師・司馬懿(しばい)。彼の知られざる人柄や三国の争いを重厚な映像美と壮大なストーリーで描いた超大作。
- エピソード
- 作品詳細
-
無料
第1話 月旦評の陰謀
司馬懿(しばい)は華佗(かだ)を呼び、妻・張春華(ちょうしゅんか)の出産に立ち会わせる。難産のため、華佗が腹を開き出産させるも、母子ともに健康。司馬家は喜びに包まれた。その後、校事府の者に呼ばれ華佗は司空府へ曹操(そうそう)の病の診察へ向かう。
-
第2話 偽りの密書
百官たちの面前で、曹操は献帝に曹操討伐の密詔の真意を迫り、董承(とうしょう)らを次々に処刑、献帝の妃までも斬殺してしまう。
-
第3話 連判状の行方
春華の進言で汲布(きゅうふ)と会った司馬懿は、校事府が司馬家を捜索した際、楊家から戻された婚礼の品の中から、袁紹(えんしょう)と司馬防(しばぼう)が密通した手紙が発見されたこと知る。
-
第4話 処刑執行の罠
荀イク(じゅんいく)は、獄中の司馬防が供述書に署名できないことを口実に、楊修(ようしゅう)に司馬防の筆跡をまねて署名を頼むと、楊修はためらった後、指示通り署名を代筆する。
-
第5話 出仕を巡る決意
曹丕(そうひ)は自分の志す平和な世を実現するために、司馬懿に出仕して協力をするよう求めたが、司馬懿はそれに従おうとはせず、曹丕を怒らせてしまう。曹操は、楊彪(ようひょう)の動きを抑制するため、楊修の罪を許し、同時に司馬懿にも出仕するよう求めていたのだった。
-
第6話 校事府からの密偵
曹操は荀イク(じゅんいく)らに、万が一、司馬懿のけがが偽りだと判明した時には、司馬懿を殺すよう命じ、戦に向かった。
-
第7話 狼顧の相
曹操が許都に帰り、校事府は曹丕に委ねられた。そんな折、曹丕が再び司馬家を訪ねてきた。これ以上足のけがを偽れないと思った司馬懿は、自らの足で歩いて曹操のもとに向かい、出仕の命を授かる。
-
第8話 望まれぬ契り
曹植(そうしょく)を後継者にしたいと思う曹操は、身分の高い清河の崔氏の娘を曹植に嫁がせ、袁熙(えんき)の側室であった甄フク(しんふく)を曹丕に与えることを決める。曹丕は甄ふく(しんふく)と婚姻を結ぶことに不満を抱え、司馬懿を訪ねて助けを求めるが、司馬懿に再び断られてしまう。
-
第9話 仁義の誓い
曹真(そうしん)が司馬家に突入し、家中を捜索する中、汲布(きゅうふ)が突然曹真の前に姿を現し、刀を突き付ける。郭照(かくしょう)が曹丕を連れてその場に駆け付けて事態を収めた。
-
第10話 民意の赦免
曹丕は汲布の命が心配で、夜、仁義の旗の元をうろついていた。この仁義の旗の案は、司馬懿が提案したことで、汲布を救う作戦であった。
-
第11話 使者の任務
甄フク(しんふく)への不敬が曹操の耳に届き、劉テイ(りゅうてい)と呉質(ごしつ)が処分を受ける。曹丕はこの一件で甄フク(しんふく)に不信感を抱くようになり、身近に信頼できるものを置くために司馬家の郭照を引き取ることにする。
-
第12話 牢の中のふたり
曹植は曹操から与えられた使者の任務を果たしたが、任務を果たせなかった曹丕は、司馬懿と共に投獄されることになってしまった。
-
第13話 楊修の企み
曹丕と司馬懿は無事に家に戻され、司馬懿は司馬防に曹丕の補佐になることを告げる。楊修は、司馬懿を妨害するために、兄の司馬朗(しばろう)を曹植に仕えさせることを考えつく。
-
第14話 司馬門の禁
曹植の呼び戻しを願い出る機会を得た曹丕は、魏王(曹操)に曹植もぎょう城(ぎょうじょう)に迎えるように進言する。そして曹植を宿駅で出迎え、歓迎会を催すが、その席で曹植が泥酔してしまい…。
-
第15話 司馬朗の救出
楊修と丁儀は、司馬門を守備する公車令・崔申が崔えん(さいえん)の甥であったと知り、手紙を取り出して崔えんを威嚇した。そして、司馬朗に曹植がきまりを破った罪を着せようと試みる。
-
第16話 荀イク(じゅんいく)の決意
曹操から差し入れとして空櫃が届けられた荀イク(じゅんいく)は、自害することを選ぶ。死の間際、荀イクは自分が管理した密謀文書に火をつけ、司馬懿に自分が裏切ったことを知らせた。
-
第17話 書簡の真偽
曹丕の文が偽物だと司馬懿は卞皇后に訴え、事件の主審を変えるように願い出る。一方司馬坊も、文字鑑定に詳しい鍾ヨウ(しょうよう)に力添えを頼み、鍾ヨウも協力に同意する。
-
第18話 荀イク(じゅんいく)との誓い
鍾ヨウ(しょうよう)は息子の鍾会(しょうかい)と筆跡の主を探し出した。崔エン(さいえん)が大理寺の者に捕まったと知ると曹操は大理寺門を封じ、鍾ヨウ(しょうよう)に真相を伝達させないよう命じた。
-
第19話 司馬兄弟の懇請
崔エン(さいえん)の牢で酩酊した司馬懿が酔いから目をさますと、目の前に曹操がいることに気づく。そこで曹操は、曹丕はきっと自分よりも厳しい王になると告げるのだった。
-
第20話 鶏肋の意
司馬朗は解放され家に戻るが、牢獄で罹った疫病により他界してしまう。健安二十四年、関羽水淹七軍が許都に押し寄せた。曹操は大軍を率いて出征を決め、司馬懿を随行させた。
-
第21話 孫権との同盟
曹操が楊修の処刑を決め、楊修は死ぬ間際、司馬懿に曹植の命を守るよう頼み込む。楊修亡きあと、洛陽遷都のかわりに司馬懿は、孫権との同盟を提案する。
-
第22話 洛陽遷都へ
自分が病と自覚していた曹操は、ついに曹丕に太子の位を認める。安二十四年冬、関羽(かんう)が呉(ご)に捕らわれ、その首が曹操の元へと送られると…。
-
第23話 曹操の最期
曹操は横槊賦詩(英雄は戦いの中でも風流を忘れない)だ。百官と将士一同たちと《短歌行》吟唱した後、曹操は地に倒れた。
-
第24話 印綬の在り処
張春華は璽綬をギョウ城(ぎょうじょう)へ届け、司馬孚(しばふ)と郡臣に命がけで曹丕を即位するよう力説する。なおも即位を拒む曹丕を前に、張春華は司馬懿からの助言を思い出し…。
-
第25話 新政のはじまり
即位後、曹丕は司馬懿を御史中丞とした。司馬懿は新しい治国の策を考えるが、宗親たちの勢力や権限を抑えぬ限り、彼らを掣肘したいという曹丕の意は叶わないことに気が付く。
-
第26話 司馬懿の上奏
曹真と宗親らは、曹丕に帝と称すよう推し進める。朝堂で、曹真は先頭を切り曹丕に帝と称す奏章を提示する。司馬懿は驚き、新政十条を申し述べるが、曹丕は見向きもしない。しかし…
-
第27話 曹家一族との対立
司馬一家は帰郷の道で税吏徴租に遭遇する。小役人のトウ艾(とうがい)が税を搾取される農民らをかばったために、仲間から酷い仕打ちを受けているのを目にし、司馬懿は公正な政治の重要さを改めて感じるのだった。
-
第28話 3つの宝
司馬懿は獄中で鍾ヨウ(しょうよう)と新政を心置きなく話す。一方、曹丕はショウ県(しょうけん)で同郷の老人を招いて宴を催すが、ショウ県のすべての土地は宗親の将軍らに奪われ、百姓が耕作できる田も何もないことを知り、愕然とする。
-
第29話 甘い罠
ギョウ城(ぎょうじょう)に戻るはずの司馬懿だったが、車夫が司馬懿を郊外のとある別荘に連れて行くと、そこに柏霊イン(はくれいいん)が勅令を持って現れ、今後は自分が側室となり世話をするので、数日の間ここに滞在するよう告げる。
-
第30話 君主と臣下の関係
張春華によって、司馬懿は無事家に連れ戻される。しかし、張春華の怒りは凄まじく、身内もみな柏霊イン(はくれいいん)を受け入れられず、ついに司馬懿は明日にでも勅令を取り消すよう陛下に頼むと約束した。
-
第31話 夫婦の絆
小役人のトウ艾(とうがい)が作った「屯田の策」に感心した鍾会は、トウ艾の居場所を突き止め、太尉である父・鍾ヨウ(しょうよう)に入官できるよう推薦すると伝える。
-
第32話 張春華の決意
柏霊イン(はくれいいん)を拒む司馬懿に、曹丕から出された第二の勅令は、命令に従わなければ官職を奪うという内容だった。司馬懿がここで官職を放棄すれば、新政策のための努力が全て水の泡になると説得する。
-
第33話 献帝の姫君たち
曹丕の命に背いたことで、冷宮にいた郭照の前に、甄フク(しんふく)が訪ねてきた。曹丕に見放された者同士、二人はお互いを慰めた。そんな中…
-
第34話 トウ艾(とうがい)の屯田新政策
トウ艾(とうがい)は地方で屯田新政策を実施し、宗親の土地を減らし、曹真家の人間を逮捕した。夏候玄が慌ててトウ艾と会談するが、トウ艾は宗親が公田を占用したことを批判し、強い姿勢を見せる。
-
第35話 司馬懿、青徐へ
夏候楙は、夏候惇の葬儀の場で司馬懿を殺そうとしたが未遂で終わる。そこで曹真、曹休(そうきゅう)、曹洪(そうこう)らは曹丕に、司馬懿を殺して夏候惇のかたきを討ってほしいと声を上げる。
-
第36話 とう艾の危機
司馬懿は反乱を鎮め、曹洪が壽春で軍事訓練をしていると聞く。トウ艾(とうがい)を心配する司馬懿は柏霊イン(はくれいいん)を連れて様子を見にいく。その途中、夏候楙(かこうぼう)に遭い、司馬懿は刺されて怪我をする。しかし…
-
第37話 突然の訃報
司馬師の結婚当日、曹洪と曹真がしつこく司馬防に酒を飲ませ、司馬防は倒れて亡くなってしまう。司馬懿は悲しみに耐えきれず、帰省したいと申し出るが曹丕に却下される。
-
第38話 母の決意
郭照に起こった一部始終を分析して語り、曹丕はやっと甄フク(しんふく)が郭照の流産の件では無実であることを理解する。慌てて曹丕が冷宮に駆けつけたが、甄フク(しんふく)はすでに施淳が持ってきた毒酒を飲んだ後で、静かに死を待っていた。
-
第39話 女たちの暗躍
甄フク(しんふく)との密会の件を柏霊イン(はくれいいん)に知られた司馬懿は、柏霊インに会いに行く。すると柏霊インが、司馬懿を信陵君に見立て、甄フク(しんふく)と関わることは危険だと語り、心中を突かれた司馬懿は、柏霊インを殺そうとして手を伸ばす。そこに…
-
第40話 司馬懿、後宮を駆ける
曹丕は灌均の曹植に関する密告を聞き、大激怒する。満寵(まんちょう)、華キン(かきん)に尚書台を経由せず、直接曹植を逮捕するようにと命令する。
-
第41話 曹植、涙の七歩詩
甄フク(しんふく)はついに自死を選んだ。司馬懿は残された曹睿(そうえい)を郭照のところに連れて行き、郭照の養子として彼の命を守ったが、後宮に押し入ったとして大理寺に閉じ込められてしまう。
-
第42話 司馬懿の解放
柏霊イン(はくれいいん)は、曹洪の死刑が曹氏宗親らの暴動の導火線になり、司馬懿を巻き込むことを恐れた。張春華も事態の大きさに気づき、息子の嫁・夏侯徽を宮中へ向かわせ、郭照に助けを求めた。
-
第43話 司馬懿、参内す
黄初7年春、曹丕は病に侵され死を目前にしていた。思い返すのは亡き父との思い出と、任を解かれた司馬懿のことばかり。曹叡を即位させることにした曹丕は、司馬懿を呼び戻すことを決め…
-
第44話 新しい生活
曹叡は手厚く司馬懿を迎えるが、曹真らは司馬懿が戻って来たことに怒りと焦りを感じていた。そして司馬懿が残した新政を封じるために、地方の役人たちの職務を混乱させようと企む。
-
第45話 母を求めて…
甄フク(しんふく)の絵が似ていないと画家たちを処刑した曹叡に対し、皇太后・郭照が苦言を呈するが、不敬にも曹叡はその場で郭照を刺殺しようとし、辟邪に制止される。
-
第46話 周魴の投降
呉の太守周魴が魏に投降を求めてきた。曹休はこれを受け入れようとするが、司馬懿は周魴(しゅうほう)の作戦ではないかと慎重な判断を求めた。
-
第47話 石亭の戦い
石亭から逃げ帰ってきた曹休の軍を無事助け出した司馬懿だったが、魏軍は大敗してしまう。この責任を曹休は、自分の命令を聞かず、石亭に駆けつけなかった司馬懿らに押し付けようとした。
-
第48話 孔明の出師表
曹真らの策略により、孟達討伐のため新城への進軍を曹叡から任された司馬懿は、大急ぎで新城へと向かう。一方の孔明はその間に北伐を進めるべく、劉禅に出師表を渡し出陣していく。
-
第49話 馬謖の誤算
孔明は安定を手始めに三郡を戦わずして手中に収める。その頃司馬懿は、孟達の予想をはるかに上回る速さで新城に到着し、攻め込んでいた。
-
第50話 街亭の戦い
孔明が手にした三郡を取り戻すべく、曹叡は自ら長安に赴き軍部の指揮を執っていた。曹真が街亭の要塞を攻める策を練るが、打開案が見つからず、曹叡はいらだつ。そこに…
-
第51話 空城の計
司馬懿らは孔明を追って西県に向かう。敵軍に囲まれる中、孔明は城の門を開け、城の上に現れて琴を弾き始めた。城の下と上で向い合う二人は、いつしか空想の世界で語りあう。
-
第52話 投獄の汚名
孔明は馬謖を処刑した。曹叡からこの件を知らされた司馬懿は、それも孔明の作戦であり、北伐への決意の表れであると告げる。
-
第53話 郭照奪還の策
曹叡と宦官(かんがん)の辟邪の企みで皇太后・郭照が処分されようとしていた。司馬懿は郭照を助けるため、自分の持つ軍権を譲り渡すことを条件に曹真を味方につける。
-
第54話 杖刑の痛手
宛城にいる司馬懿の元に曹真から使いが届き、早く出陣の準備をするように急かされるが、自分達に利がないことを知る司馬懿は、一向に戦地に向かう準備をする気配を見せない。
-
第55話 陳倉の戦い
孔明が仕組んだ姜維の投降に騙された魏軍は、蜀の軍に攻め込まれ、陳倉も取られてしまう。身体が回復し、やっと司馬懿が目覚めると、魏軍の戦局は追い詰められていた。
-
第56話 曹真の死
洛陽に戻ると、曹真は病を患い臥せっていた。見舞った曹叡に曹真は、司馬懿を大都督にするよう頼み、自ら印信を司馬懿に手渡した。
-
第57話 北伐再開
孔明は北伐を再開する。食糧調達のため隴上に向かうが、司馬懿ら魏軍がすでに陣を張っており、両軍は互いに向かい合って様子を探った。
-
第58話 劉禅の宣旨
蜀軍への食糧提供が遅れた責任で、司馬懿の協力者である李厳は孔明に罰せられることに。そこで李厳は宦官の黄皓と劉禅の寵愛を受ける養女の軽宵とを使って、罰を逃れられないかと働きかける。
-
第59話 孔明の怒り
孔明は成都に戻された、撤退の命令は李厳らが仕組んだこととわかっていた。孔明の怒りを恐れた劉禅は、孔明の言うとおりにするとすがり、李厳から位を取り上げ、軽宵も宮廷から追放してしまう。
-
第60話 五丈原の戦い
3年の月日が経ち、蜀は6度目の北伐を行う。魏では司馬懿が三か月で勝負をつけるよう曹叡に命じられ、再び戦地に向かうことに。
-
第61話 上方谷の戦い
魏軍に兵糧を奪われた蜀軍は、厳しい状況に追い込まれる。魏軍内では、将軍たちがこの機に乗じて蜀を攻めるべきだと訴えるが、司馬懿はそれを退ける。
-
第62話 孔明からの贈り物
奇跡的に難を逃れた司馬懿たちだったが、軍法に背いた司馬昭(しばしょう)に司馬懿は斬首刑を申し付ける。刑の重さに司馬師(しばし)や郭淮(かくわい)、そして司馬昭の軍の兵士たちが懇願し、斬首は取り下げられるも、司馬懿は鞭打ち200回の刑を命じた。
-
第63話 才知の攻防
孔明から贈られた女物の着物を身に着けて、司馬懿は川沿いに姿を現した。そして、孔明に向かって、孔明の『出師表』を皆で暗唱して聞かせるのだった。
-
第64話 最後の対局
孔明は久方ぶりに兵士たちの前に姿を現し、陣地内で鍛錬の指揮を執り、その声を対岸の魏軍に聞かせた。孔明の命がもう長くないと思っていた司馬懿であったが、孔明にまだ力があったことを知り、驚きを隠せないでいた。
-
第65話 死せる孔明、生ける仲達を走らす
孔明が死んでいると分かっていた司馬懿だが、敢えて撤退して五丈原に向かう。かつての敵陣に踏み入った司馬懿は、死に際でも全てを整え去っていった孔明の聡明さに感嘆し、この状況を目に焼き付けるよう、息子たちに諭した。
-
第66話 狙われた郭照
自分の娘を亡くし、気を乱した曹叡は、近しいものが皆いなくなるのは郭照のせいだと訴えた。そして辟邪の手によって、郭照は公主を呪い殺したとの疑いをかけられ死罪を賜ることに。
-
第67話 残された者の宿命
司馬懿が長安より駆け付け、郭照を助けようと必死に曹叡に訴えるが、曹叡が死罪を取り消したのは、郭照がすでに殺された後だった。
-
第68話 曹叡の病
司馬懿が公孫淵を倒し、曹叡の命を受けずに一族も殺してしまったことに驚いた曹叡は倒れてしまう。曹叡の病は重く、朝廷内では早くも誰が幼い太子の補佐役になるかで騒がしくなっていた。
-
第69話 曹叡の決断
曹叡は死を目前にしていた。意識を混濁させながらも、ついに司馬懿を洛陽に呼び寄せてその真意を試すことにする。
-
第70話 新天子、即位
新天子が即位し、司馬懿と曹爽(そうそう)は揃って朝廷を訪問する。太后より、曹爽の弟と司馬懿の息子たちに、適する官職を選んで出仕させるよう命じられ、司馬懿は承諾する。
-
第71話 曹爽の横行
司馬懿は牢にいる辟邪に衣服を届け、最期の別れを告げる。曹爽は何晏が手をまわして用意した曹叡の元妾だった蒹葭(けんか)を、自分の妾としていた。
-
第72話 太后の一計
天子の教育係として宮廷に入った柏霊イン(はくれいいん)は、太后の信頼を得て話しを聞く間柄になる。政治に疎いこと、天子の実の母ではないことで、大臣たちが自分を軽んじていると悩む太后に、ある秘策を教えて…
-
第73話 司馬懿の嘘
太傅の位を賜ったが、長安の兵権は手放さないと司馬懿は曹爽に告げる。そして自分の命を守るため、幼い天子を利用して、司馬懿は宮廷の門まで逃げていく。
-
第74話 何晏と曹爽
司馬懿は密かに山の奥で私兵の準備を進めていた。身辺で、造反の罪に値するものを探っていた何晏はこれに気が付き、その証拠をもとに司馬懿に謀反の罪を被せ、失脚を狙うのだった。
-
第75話 私兵の証拠
蜀討伐に同行した司馬昭の供の者たちが、単なる家来ではないことが分り、司馬懿が私兵を抱えていることを曹爽らは確信する。
-
第76話 三つ巴の争い
司馬懿と婚姻関係を結び、関係を強めようとした太后の動きを知った曹爽と何晏は、太后を移宮させ追い出すことを計画する。そして兵を引き連れて太后の宮殿に押し掛け、幼い天子に代わって曹家が政治を執ると申し出て…。
-
第77話 夏侯徽の失踪
司馬師の行動から、司馬家の私兵の存在を知ってしまった夏侯徽は、密かに後をつけていた司馬倫(しばりん)によって捕らえられ軟禁される。
-
第78話 張春華のために
司馬師に夏侯徽殺害の疑いをかけられ、曹爽に捕まってしまったことが原因で倒れてしまった張春華は、すでに長い間病に侵されていた。先が長くないことを医者に告げられた司馬懿は、悲しみに暮れる。
-
第79話 悲しみに暮れて
張春華が亡くなり、司馬家は深い悲しみに包まれる。司馬懿から兵権を奪い、全ての権力を手に入れた曹爽らは、宴席を設けて日ごと大騒ぎをしていた。そして…
-
第80話 司馬懿、覚醒す
時が経ち、司馬懿は病のため政務を遠ざかっていた。一方の曹爽は、天子の地位が狙えるほどに、権力を独占していた。ある日…
-
第81話 洛陽占拠
洛陽を占拠した司馬懿は、曹爽が戻ってきても、虐殺はせず、宗親も守り、爵位も与えて兵権を戻すだけだと誓う。一方の曹爽は、あまりに突然起こった反乱に驚く。
-
第82話 裏切りの代償
司馬懿の誓いに反して、司馬昭と鍾会は曹爽らを排除することを考えていた。司馬昭は、曹爽を裏切った何晏に刑罰を司る廷尉の任を与え、曹爽らが帝位を奪い謀反を企むとして、捕まえさせる。
-
第83話 夏侯玄の政変
曹爽の一族が処刑されることになった。この処分で、曹爽の息子が共に処刑されることを知った司馬孚と柏霊イン(はくれいいん)が止めるが、司馬懿はこれを認めなかった。
-
第84話 司馬懿の本心
反乱を起こそうとした王リョウ(おうりょう)が降伏したことにより、司馬懿は宣旨の通り、王リョウ(おうりょう)を処刑せずとして釈放した。しかし護送の途中、賈逵廟に連行された王リョウ(おうりょう)は、司馬懿の本心を悟り、司馬懿に自分を殺すよう求めた。
-
第85話 男たちの涙
柏霊イン(はくれいいん)が亡くなり、司馬孚も司馬懿の元を去った。寂しくなった司馬家だが、侯吉(こうきつ)が小ゲン(しょうげん)と結婚したいと申し出て、司馬懿はその仲を取り持つことに。
-
第86話 (最終話) 最後の決別
司馬懿は、自分が死んだら文帝の側に安置して欲しいと天子に願い、朝議の場を後にする。小ゲン(しょうげん)と侯吉の婚礼を執り行った翌朝、司馬懿は最後の連れとなった亀の心猿意馬を逃がしてやることにする。
作品詳細
若かりし頃の司馬懿(しばい)は物静かな書生であったが、曹操(そうそう)暗殺の嫌疑をかけられた父親を持ち前の知略で見事救出し、人々の注目を集める存在となる。その天賦の才と『狼顧の相』と言われる 野心的な一面を曹操に認められ、曹操の息子である曹丕(そうひ)に仕える立場となった司馬懿は、曹家の激しい後継者争い巻き込まれ ながらも、曹操亡き後の世継ぎとして曹丕を魏国王の位につかせ、自らも政治力をつけていくのだった。