孤高の皇妃
“七度嫁いだ皇妃”の波乱の人生!“女真族一の美女”トンガと、清国の皇帝や乱世の英雄たちが繰り広げる、愛と憎しみのロマンス史劇!!
予告編
- エピソード
- 作品詳細
-
第1話
スランプに陥った女流作家・歩悠然(ほ・ゆうぜん)に、次作のアイデアが舞い降りた。“女真族一の美女”と称えられた伝説の女性・トンガは、短い生涯のうちで7人の夫に嫁いだという―その一生を描くのだ。トンガの父はヌルハチとの戦に破れ、命を落とした。そして彼女は、父の仇であるヌルハチの庇護のもとで暮らすことに…。
-
第2話
病気の叔母・モンゴをお祖母様に会わせてあげてほしいと、ヌルハチに直訴するトンガ。イェヘ部との関係が悪化していることを理由に難色を示すヌルハチだったが、なおも涙ながらに言い募るトンガには勝てず、結局は折れるしかなかった。しかし、ヌルハチの許可を得たとトンガから聞かされたダイシャンは、胸騒ぎを覚え…。
-
第3話
ハダ部のメンゲブルに嫁げ―ブヤングは妹のトンガにそう命じた。断ればホンタイジの命はないとちらつかせるブヤング。トンガは、ホンタイジの身の安全と引き換えに、兄の言葉に従うのだった。自室へ戻った彼女は、「兵を連れて助けに来て」と告げ、渋るホンタイジを建州へと逃がす。その直後、トンガの部屋にメンゲブルが…。
-
第4話
ハダ部へ向けての出陣前日。思いがけずヘトゥアラ城の守りを任されたチュエンは、叔父のシュルガチに不満をぶつけていた。そんなチュエンに対し、シュルガチは「言葉と振る舞いには気をつけたほうがいい」と釘を刺すのだった。その夜、ハダ部への出兵を知ったホンタイジは、自分も戦に連れて行ってほしいと父に直談判し…。
-
第5話
トンガとホンタイジに、お互い助け合って気遣うようにと言い遺し、モンゴはこの世を去った。しかし、城内では折しも戦勝を祝う宴が開かれており、モンゴの葬儀を執り行うのは待つようにと、大フジン・グンダイからも指示が出ているのだという。幸の薄かった叔母を思うと居ても立ってもいられず、トンガは怒りを胸に宴席へ…。
-
第6話
ベイレ府を出たトンガは、ダイシャンの屋敷へ向かったのではなく、城外へと逃れたのではないか―そう推測したグンダイは、邪魔者が自ら消えてくれたと喜び、この一件がヌルハチの耳に入るのを少しでも遅らせようと画策するのだった。同じ頃、チュエン、ダイシャン、ホンタイジの3人は、手分けをしてトンガを捜すことに…。
-
第7話
チュエンの誕生日を祝う宴が。多忙ゆえに出席はしなかったものの、ヌルハチからは大変珍しいという“玉の枕”が届いた。しかし、それと同じ物を贈られたトンガは、「硬い枕など要らない。返してきて」と言い放つ。そしてそれを、当のヌルハチに聞かれてしまうのだった。ヌルハチはトンガを担ぎ上げると、自分の寝所へと運び…。
-
第8話
観劇を楽しむ人々から離れ、1人で庭を歩くトンガ。そこに現れたダイシャンは、じっと時機を待つしかない我が身の不甲斐なさを嘆きながら、いつか必ずトンガは自分のものだと天下に宣言するのだと告げる。そっと抱き合う2人―その姿をホンタイジが、そしてアバハイが静かに見つめていた。そんななか、明国の使節が建州を訪れ…。
-
第9話
ヌルハチがアバハイをフジンにするらしい―ベイレ府周辺では、そんな噂がささやかれていた。面白くないのは大フジンのグンダイである。噂を聞きつけた彼女はアバハイを呼びつけ、縫製坊を取り仕切るように命じる。それを知り、グンダイに抗議をしようと立ち上がるトンガ。するとホンタイジは、ある策を彼女に授け…。
-
第10話
ヌルハチに下賜された名馬・大青馬を駆って、狩りを始めたトンガ。大人しいはずの馬が暴れ出してひやりとするが、その危機を救ったのはホンタイジだった。やがてトンガは、ホンタイジと別れて林の中で狩りを続けることに。すると、背後で物音が。彼女はとっさに矢を放つが、そこにいたのは獲物ではなくチュエンで…。
-
第11話
いつになく酔った様子のトンガ。それを不審に思ったチュエンは、なおも酒を注ごうとするアバハイの手をつかみ「何の真似だ」と声を荒らげる。彼はアバハイが何かを企んでいると直感したのだ。チュエンはトンガを抱きかかえ、自分の屋敷へ。妙な酒のせいか体の自由が利かないホンタイジは、それをただ見送るしかなかった…。
-
第12話
ヌルハチが自分を利用し、実の息子であるチュエンとダイシャンを争わせている―ホンタイジから真実を明かされたトンガは驚愕する。自分を“駒”として扱うヌルハチへの怒りから、絶対に彼の思い通りにはさせないと決意を固めるトンガ。そして彼女はもうひとつ、悲しい決心をする。それはダイシャンへの想いを断つことだった…。
-
第13話
グンダイに平手打ちされたアバハイの両頬は赤く腫れ上がっていた。それを見たヌルハチは従者や侍女たちに怒鳴り散らし、グンダイへの減俸と蟄居を命じるのだった。同じ頃、トンガのもとにダイシャンが。しかし、トンガは会おうとはしなかった。そして彼女は、かつてダイシャンから誓いの言葉とともに手渡された指輪を…。
-
第14話
モンゴルのハルハ五部を代表して、エンゲデルがヌルハチのもとを訪れた。彼はハルハ五部が建州に帰順する意思があることを示し、「ぜひ我らの“ハン”になっていただきたい」と申し出るのだった。一方、ハミンと話していたグンダイは、相手の何気ない一言から、数カ月もアバハイの頬から痣が消えなかった理由に気づき…。
-
第15話
ホイファ部のベイレ・バインダリによってトンガがさらわれた。元々ホイファ部と建州との関係は良好だったが、この事態を受けてヌルハチも出兵を決断するのだった。一方、バインダリたちの手を逃れたトンガは、ウケヤとアダンジュの兄妹に助けられていた。名前を尋ねられたトンガは、とっさに歩悠然(ほ・ゆうぜん)と名乗り…。
-
第16話
ウラ部の軍勢が現れ、トンガのいるフルキ城に攻撃を開始した。城内になだれ込んできた敵兵を迎え撃つウケヤ。兄の身を案ずるあまり、普段は勇敢なアダンジュもすっかり弱気になってしまう。トンガはそんな彼女をたしなめ、勇気づけるのだった。その時、フルキ城に建州からの援軍が到着する。それを率いていたのは…。
-
第17話
建州軍の先発隊は、烏碣岩でウラ部の襲撃に遭った。知らせを聞いて駆けつけたチュエンとダイシャンは獅子奮迅の活躍を見せ、兵力で勝るウラ軍を撃退することに成功する。しかし、敗走するウラの兵たちは偶然にもトンガを発見。その服装からワルカ部の貴人ではないかとにらんだ彼らは、トンガを捕らえようと取り囲み…。
-
第18話
突然倒れたゲタイ。医者によると、すっかり衰弱しており、回復には数か月かかるだろうとのことだった。新しい侍女を選ぶようにとの打診を断ったトンガは、ゲタイを義理の妹として迎えると宣言するのだった。その一方でトンガは、ゲタイにひどい仕打ちをしたのは誰かと、ホンタイジを問い詰める。彼は重い口を開き…。
-
第19話
「若様が強く想う方は、お嬢様です」―思いもかけないゲタイの言葉に、トンガは動揺していた。ためらいながらも、そろそろ妻を娶るべきではないのか、女性に興味はないのかと、ホンタイジにあれこれ尋ねるトンガ。すると彼は、女が怖いと答えるではないか。だが、その言葉とは裏腹に、彼は突然トンガに口づけを…。
-
第20話
ゲタイとアルハ―2人のフジンとの婚礼を祝う宴の直前、ホンタイジはトンガへの強い想いを口にする。嬉しさと切なさという正反対の感情に引き裂かれそうになり、宴席で飲みすぎてしまうトンガ。新婦であるゲタイはそんな彼女を見かねて、自室へと連れてゆくのだった。実の妹のようなゲタイを前に、トンガは苦しい胸の内を明かし…。
-
第21話
ゲタイの懐妊を祝う贈り物が届いた。その中には、密かに明国と通じているシュルガチからの祝いの品も。秘密にしていた懐妊の事実を漏らした間者がいることにも気づかず、開戦間近である敵国・明の品を受け取ったゲタイの不用意さを、ホンタイジは叱るのだった。そんな折、明への対応策を話し合う軍議の席で、シュルガチとチュエンは激しく対立し…。
-
第22話
「教えて。お父様をなぜ閉じ込めるの?」―宴の最中に現れたスンダイは、ヌルハチに対して、こう問いかけた。父の置かれた境遇のひどさを訴え、ヌルハチを非難するスンダイ。するとヌルハチは、「牢屋暮らしを残酷だと言うなら、死を与える」とシュルガチの処刑を命じるのだった。それを聞いたスンダイは、フルハンの刀を奪い…。
-
第23話
無事、ゲタイは出産した。「おめでとう」というトンガの言葉に、どこか寂しげな表情で応じるホンタイジ。トンガが部屋に入ると、ゲタイは寝台の上で涙を流しながら、弱々しい声で「旦那様を責めないで」と繰り返すのだった。そして、そばに控えていた侍女から、ゲタイが早産となった原因がヌルハチの苛烈な命令にあったのだと聞いたトンガは…。
-
第24話
あくまで一時的な里帰りだと強調するトンガに、兄のブヤングは思いがけない言葉を返した。トンガの身代わりとなる姫をヘトゥアラ城に送ったというのだ。その日から兄の監視下で暮らすこととなったトンガ。やがて、イェヘの姫ではなくホルチン親王の娘を娶ったヌルハチに怒ったブヤングは、トンガをウラ部のブジャンタイのもとへ嫁がせることに…。
-
第25話
チュエンは謀反の罪で投獄された。その後、ヌルハチは兵制を八旗制へと改める。ダイシャン、ホンタイジもそれぞれ旗主に任じられるなか、新たに設置されたジョウ白旗の旗主には、まだ10歳のアジゲが。それを伝え聞いたトンガは、ヌルハチが末子・アジゲに家督を継がせる決意を固めたのだと悟るのだった。そこへ、彼女の縁談が決まったという知らせが…。
-
第26話
ついに国を興し、独立することを決めたヌルハチ。エイドゥら5人を大臣とするという報告がなされた直後、ホンタイジがおもむろに口を開いた。「ブヤングがトンガ姫をモンゴルへ嫁がせます」。出兵してイェヘ部に制裁をと訴えるホンタイジだったが、エイドゥはトンガを“亡国の悪女”と断じ、建国という重大事を前に出兵は控えるよう進言し…。
-
第27話
城外の屋敷で暮らすこととなったトンガは、自分が知らぬ間に“ホンタイジがジャルート部から迎えたフジン”という立場となっていたことに驚いていた。肩身の狭い思いをさせていることをわびるホンタイジ。トンガは“女真族一の美女”という肩書や、予言によって狂わされた人生を捨て、歩悠然(ほ・ゆうぜん)として生きる決意を固め…。
-
第28話
大晦日の宴が終わる前に席を立ったダイシャンとホンタイジ。トンガを失った悲しみを酒で紛らわせていたダイシャンは、心配して追ってきたアバハイに苦しい胸の内を明かすのだった。一方、城外の別宅に向かったホンタイジは、歩悠然(ほ・ゆうぜん)ことトンガの病状が思わしくないことを知る。それを隠そうとしていた彼女に対し、ホンタイジは…。
-
第29話
ホンタイジは宴を抜け出して、歩悠然(ほ・ゆうぜん)ことトンガの住む別宅へとやってきた。幸せをかみしめると同時に、トンガの心中には複雑な思いもあった。ベイレの中でも末席に留まるホンタイジには、ジェルジェルとブムブタイの故郷であるホルチン部の後ろ盾が必要なのだ。自分が居ては邪魔になる―トンガは、置き手紙を残して姿を消し…。
-
第30話
ヌルハチに呼び戻されたホンタイジがヘトゥアラ城へ戻ってみると、軍議の真っ最中。「明国を討つのに理由は必要ない」と言い放つエイドゥに対し、理由なく戦を仕掛けるのは強盗と同じだとホンタイジは反論するのだった。そんなある夜、ホンタイジは庭で歌いながら舞うトンガらしき人影を見つける。慌てて駆け寄ると、その娘はブムブタイで…。
-
第31話
「旦那様がケガを」―血相を変えて駆け込んできたカリンザの言葉を聞いて、黙っていられる歩悠然(ほ・ゆうぜん)ではない。外出を禁じられているにもかかわらず、部屋を飛び出すと、止めようと追いすがるカリンザや侍従たちの声にも耳を貸さずにホンタイジの屋敷へと向かうのだった。騒々しい一団の到来に、アルハは悠然をとがめ…。
-
第32話
歩悠然(ほ・ゆうぜん)はダイシャンを見舞うため、人目を忍んで彼の屋敷を訪れた。彼女が死んだと聞いて以来、自分を責め続けてきたと告げるダイシャンに、「あなたは何も悪くない」と応じる悠然。するとダイシャンは、逃げようと言ったら一緒に来るかと尋ねるのだった。悠然は、「トンガが生きていたら、迷わずあなたと行ったわ」と答え…。
-
第33話
自分を狙う刺客の黒幕は、ブムブタイではないか―そう推測した歩悠然(ほ・ゆうぜん)に対し、ホンタイジは「証拠がなければ言いがかりだ」と真っ向から反論。彼は「冷静になってから、また話し合おう」と言い残し、悠然の部屋をあとにするのだった。屋敷に戻ったホンタイジがヤケ酒をあおっていると、そこにブムブタイが現れ…。
-
第34話
武芸の稽古に張り切る歩悠然(ほ・ゆうぜん)に、ホンタイジから贈り物が。それは、戦に同行する悠然のために、ホンタイジ自らが指示して腕のいい鍛冶に作らせた特注品の刀だった。一方、出発を間近に控え、今回の遠征が長期間にわたると聞かされたアバハイの胸中には、しばらく会うことができなくなるダイシャンへの想いが膨らみ…。
-
第35話
ダイシャンとアバハイの密通は事実なのか、それとも大ハンであるヌルハチへの謀反を企てたホンタイジとマングルタイによる捏造なのか。ヌルハチ自らによる詮議の場で、ダイシャンは「人の道に背くことですが」と前置きした上で、「私の心にいるのは、あの人ただ1人だとご存じのはず。不義密通など、絶対にあり得ません」と言い放つのだった…。
-
第36話
瀋陽に攻め入った後金軍は、優勢に戦を進めていた。そんななか、ホンタイジの幕営に急報が届く。ゲタイが危篤だというのだ。知らせを聞いた歩悠然(ほ・ゆうぜん)は、夜だというのに陣を離れ、一路ゲタイのもとへと急ぐのだった。城へと戻り、衰弱したゲタイを見舞う悠然。意識を取り戻したゲタイは、苦しい息の下で、ある後悔を口にし…。
-
第37話
瀋陽攻略に功のあったダイシャンに、ヌルハチは褒美を与えることに。だが、それはダイシャン自身に対してではなく、彼の2人の息子をジョウ紅(じょうこう)旗の旗主に抜擢するというものだった。それを知った歩悠然(ほ・ゆうぜん)は、後継者争いを防ぐため、その筆頭であるダイシャンの権力を削ごうというヌルハチの真意に気づき…。
-
第38話
寧遠での戦を終えたヌルハチは、瀋陽へは戻らず清河の温泉で静養していた。その容体は思わしくなく、後継者争いの渦中にあるヌルハチの息子たちは、お互いに相手の出方を見張り、牽制し合っていた。見事、後継者の座を射止めるには、ヌルハチの信頼を勝ち取るべきだと考えた歩悠然(ほ・ゆうぜん)は、単身、清河へ向かうことに…。
-
第39話
八角殿に姿を現したアバハイ。重臣たちは立ち去るよう大声をあげるが、彼女はそれらをまるで意に介さぬ様子で人々の前へ進み出ると、「今日、ここにベイレや大臣を集めたのは、大ハンの遺志です」と告げるのだった。アバハイの言うことが確かならば、ヌルハチは臨終に際して、その遺志を書き残したことになる。ヌルハチが指名した後継者とは…。
-
第40話
「俺はホンタイジこそが、最も大ハンにふさわしいと思う」―ダイシャンが推薦の意思を表明し、重臣たちが即位に賛成しても、ホンタイジは頑として首を縦に振ろうとはしなかった。真意を測りかね、ホンタイジをたしなめる歩悠然(ほ・ゆうぜん)。するとホンタイジは冗談を交じえながらも、その深謀遠慮の一端を彼女に明かすのだった…。
-
第41話
死屍累々の戦場で目を覚ました歩悠然(ほ・ゆうぜん)は、ドルゴンに助けられた。無事ホンタイジに会うまでは、自分の正体を知られないほうがよい―そう考えた彼女は、悠然の妹・阿歩(あほ)と名乗るのだった。身分を偽っていることには気づかれなかったが、いつまでもドルゴンのもとにはいられない。屋敷を抜け出す策を練る悠然だったが…。
-
第42話
宴の席に遅れて姿を現したホンタイジは「慶事が3つある」と切り出す。1つはドルゴンが新しいフジンを迎えたこと、もう1つはそのドルゴン率いるジョウ白(じょうはく)旗が目覚ましく勢力を伸ばしていること、そして最後は親征によってチャハル―歩悠然(ほ・ゆうぜん)を亡き者にした仇敵・リンダンを討つという宣言だった…。
-
第43話
リンダンを破り、ホンタイジのモンゴル統一も夢ではなくなった。しかし、仇敵の死は新たな火種を生んだ。それは、リンダンのフジンであるドトメンの処遇だった。彼女の持つ莫大な財産を継承し、戦によって疲弊した後金を建て直す―そのためには大ハンがドトメンを娶るべきだと主張するダイシャンと、それを拒むホンタイジが対立し…。
-
第44話
妹のスタイを夫のジルガランに嫁がせてほしい―死期を悟ったウタナは、そう歩悠然(ほ・ゆうぜん)に告げた。ホンタイジは、すべて自分に任せておけとなだめるが、悠然が愁眉を開くことはなかった。やがて、リンダンのフジンだったナンナンが、ダイシャンへ嫁ぐことに。だが、ダイシャンはスタイを娶りたいとホンタイジに訴え…。
-
第45話 (最終話)
「皇后ではなく、あなたの妻になりたい」―そう告げた歩悠然(ほ・ゆうぜん)は、“皇后”という虚名を得るよりも、本当の妻としていつもホンタイジのそばで生きることを願っていた。丙子(ひのえね)の年4月11日、ホンタイジは国号を清と変え、天子を名乗った。続く皇后冊立(さくりつ)の儀で、名前を呼ばれたのは…。
作品詳細
17世紀の乱世の時代、父親が戦に敗れ命を奪われたことから、父親の仇(かたき)であるヌルハチとの婚姻を迫られたトンガ。それに従わなかった彼女だが、ヌルハチの庇護(ひご)のもと、建州(けんしゅう)で彼の息子たちと共に育てられ美しく成長していた。そんな中、彼女のいとこのホンタイジが、母親の病気を心配して建州へと戻ってくるのだが…。7回の結婚を経験した女真(じょしん)族一の美女、トンガの波乱に満ちた人生を描いたドラマチックなロマンス史劇!