私が大王!?愛しいあなたは我が家臣
イケメン大好き女料理人と、一国の王の魂が入れ替わった!
- エピソード
- 作品詳細
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第1話
周の都きっての料理人・妲喜〈だつ・き〉は、無類の面食い。理想が高すぎるせいで運命の人に巡り会えずにいたが、ある日、町で見かけた青年にひと目惚れをする。相手が一品侍衛の少雍〈しょう・よう〉だと知った妲喜は、宮女として王宮に入り込み、彼への接近を企むのだった。一方、周の大王・姫満〈き・まん〉は、妃である霓裳〈げいしょう〉の夜の誘いを拒むため、逆賊が来たと芝居を打つ。その夜、実際に怪しい人影を目撃し…。
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第2話
月が怪しく光る夜。妲喜〈だつ・き〉は思いを寄せる少雍〈しょう・よう〉の部屋へと向かうため、王宮内の塀に縄を掛けてよじ登っていた。そこへ通りがかった大王・姫満〈き・まん〉は曲者が現れたと思い込み、縄に手をかけた。妲喜は真っ逆さまに転落。姫満は彼女の下敷きとなり、2人とも気を失ってしまうのだった。やがて、起き上がった“妲喜”が“姫満”に尋ねた―「なぜ余の衣を?」。2人はとてつもない異変に見舞われたことに気づき…。
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第3話
退屈そうに大臣たちの奏上を聞く大王。それもそのはず、外見は姫満〈き・まん〉でも、中身は妲喜〈だつ・き〉なのだ。彼女は大王としての生活の煩わしさに、早くもうんざりし始めていた。朝議の場では、有力な年配者の発言を禁じたかと思えば、若いイケメン大臣には既婚かと尋ねる始末。息子のいい加減な振る舞いを耳にした太后は、龍徳殿に姫満を訪ね、行いを質すよう忠告する。言い訳を続ける姫満(実は妲喜)に対し、太后は…。
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第4話
「太后とは距離を置け」と警告する妲喜〈だつ・き〉。しかし姫満〈き・まん〉―中身の妲喜は、逆に“良き息子”を演じて太后と親しくし始めた。親子の確執の理由を勝手に決めつけ説教までする姫満に、「余の前から消えろ」と告げた妲喜は、政務の監督も放棄してしまうのだった。困った姫満は、自慢の手料理を振る舞い、妲喜の機嫌をとることに。すると妲喜は、自分と太后、そして伯父である摂政との間に何があったのか語り始め…。
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第5話
練兵中の少雍〈しょう・よう〉に熱視線を送る姫満〈き・まん〉。動揺し転倒した少雍は、笑い声をあげた侍衛たちを怒鳴りつけた。少雍は大王の御前で取り乱したことを謝罪するが、相手は“大王”であっても“姫満”ではない。憧れの人を目の前にして興奮状態の“妲喜〈だつ・き〉大王”は、少雍に抱きつこうとする。脅えた少雍は、訓練を投げ出して逃げていくのであった。それがきっかけとなったのか、少雍は「祝言を挙げる」と休暇を取り…。
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第6話
幼い姫満〈き・まん〉を守るために、やむを得ず亡き夫の兄である摂政の気を引いて取り入った―太后の語った過去は、母親としての悲痛なまでの覚悟を感じさせるものだった。彼女の子を思う気持ちに心を動かされた姫満(本当は妲喜〈だつ・き〉)は、すぐさま“真の息子”妲喜に真実を告げる。しかし、太后への疑心を抱き続けてきた彼(彼女?)は聞く耳を持とうとしないのだった。そんななか、病み上がりの姫満は妲喜と散歩中、太后に出くわし…。
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第7話
目に余る勘違い行動を続ける霓裳〈げいしょう〉に、姫満〈き・まん〉は“女子の心得”を説き始めた―なにしろ、心は妲喜〈だつ・き〉なのだ。いまいち理解していないらしい霓裳を追い返し、妲喜と話していると、異変が。妲喜に“月の物”が来たのだ。取り乱す妲喜に、優しく対処方法を教える姫満。前後の事情を知らず、この様子を覗き見していた霓裳は、大王と仲睦まじい妲喜を恋敵だと勘違いしてしまい…。
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第8話
自分の代わりに少雍〈しょう・よう〉と仲良くなってほしい。この願いを妲喜〈だつ・き〉に聞き入れてもらうため、“見た目は大王”の姫満〈き・まん〉は躍起になっていた。さも霓裳〈げいしょう〉と関係を持ったかのような口ぶりで妲喜に圧力をかけるが、逆に姫満は“未経験”であることを見破られてしまうのだった。後日、妲喜も出席している朝政の場で、姫満はとんでもないことをしでかす。夢で仙人に授けられた踊りを我が国の伝統にと、大臣たちの前で踊り始めたのだ…。
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第9話
従姉の無双〈むそう〉宗姫や侍衛たちがいる前で、姫満〈き・まん〉は少雍〈しょう・よう〉に愛の告白をしてしまった。“自分がやらかした”事態を収拾する羽目に陥った妲喜〈だつ・き〉は、その場を離れて姫満をとがめる。すると姫満は、少雍と仲良くなってという頼みを聞いてくれないから自ら仲良くなるしかない、と反論するではないか。これには妲喜もお手上げだった。大王としての名誉を守るため、相手の言い分を聞かざるを得ない。2人は少雍の部屋へと赴き…。
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第10話
妲喜(だつ・き)によれば、無双(むそう)宗姫が極端に勝手気ままな性格になってしまったのは、幼くして母を亡くし、父である東陵(とうりょう)王に溺愛されて奔放に育ったことが原因なのだという。やけに宗姫の生い立ちについて詳しい彼女に対し、少雍(しょう・よう)は疑問を覚えるが、それもそのはず、この宮女の中身は姫満(き・まん)なのだ。偽妲喜は、想い合う少雍と宗姫をくっつけるべく、宗姫の性格を直すために策を弄することに。一方、心は女の姫満に、太后が“男色”の疑いをかけ…。
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第11話
奴隷牢に投獄されて苦労を重ねたことで、無双(むそう)宗姫は過去の横暴な振る舞いを反省し、他人を思いやれる人間になっていた。その様子を陰ながら見守っていた少雍(しょう・よう)は、宗姫の解放を妲喜(だつ・き)に願い出る。だが、妲喜は時期尚早だと退け、次なる手を思案するのだった。そんな様子をさらに遠くから見守る姫満(き・まん)(心は妲喜)は、何やら顔を寄せて語り合う妲喜と少雍の姿に、“自分”と少雍の仲が深まりつつあると勘違いをし、気をよくするのだが…。
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第12話
「そなたが気に入ったなら、娶ることを許してもいいわ」と語る太后。妲喜(だつ・き)を妻とすることを認めた太后に姫満(き・まん)は驚く。しかし、身分の低い妲喜を王后としては迎えられないので、側室の中でも最高位である“夫人”の位を与えるつもりのようだ。これに、反発の声を上げたのは妃たち。すると太后の発案で、妃たちと妲喜とで、どちらが大王の妻としてふさわしい礼儀や才覚を身に付けているかを競う、女子力対決が行われることに…。
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第13話
「彼に嫁ぐのは諦めるから2人を助けて」。毒薬を飲んだらしく、目を閉じたまま動かない少雍(しょう・よう)と無双(むそう)宗姫。2人を前にした姫満(き・まん)は、妲喜(だつ・き)(実は姫満)に懇願した。何やら薬を取りだし、彼らの口に含ませる妲喜。すると、すぐさま2人は息を吹き返したではないか。死をも乗り越える愛を見せつけられた姫満は、複雑な思いで少雍と宗姫を見送ると、手荒な策をとった妲喜に怒りをぶつける。対する妲喜は、思いがけないことを口にする…。
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第14話
姫満(き・まん)と妲喜(だつ・き)の魂が入れ替わっているという話が、ついに太后の耳に入ってしまった。霓裳(げいしょう)の発言とはいえ、そんな荒唐無稽なことは誰も信じまいと楽観的な姫満(中身は妲喜)に対し、妲喜は万一の時のためと“無知な大王”に宮中の規則を叩き込むのだった。ほどなくして、太后から呼び出しが。彼女が大王なら知っていて当然の知識を問うと、予習の甲斐あって“姫満”も答えを返す。しかし、所詮は付け焼き刃。すぐに窮地に陥るが…。
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第15話
姫満(き・まん)の女性不信には訳があった。16歳の頃、叔父に連れて行かれた妓楼で、彼は如魅(じょび)という女に恋をする。早速、妃を娶りたいと太后に報告する姫満。話を聞いた太后は、反対はしなかったものの「妓楼の女子にとって、情は損得ずくよ」と告げたのだった。自分の本当の身分を知らない如魅の想いは、真実であるはず―そうは思うものの、太后の言葉が頭から去ろうとしない。結局、姫満は如魅の心を試すため、悲運の男を演じることに…。
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第16話
妲喜(だつ・き)との入れ替わりの問題が一段落ついた姫満(き・まん)に、新たな難題が舞い込んだ。近年、勢力を強めつつある隣国・西王母国の使者がやってくるというのだ。彼の妃であった霓裳(げいしょう)は西王母国の出身。友好のために輿入れした霓裳が冷宮に入っていると伝われば、戦に発展しかねない。そう考えた姫満は、彼女の冷宮入りを解くことに。しかし、妃に戻っても冷遇くことに不満を持つ霓裳は、姫満に一矢報いる好機を得て、不敵な笑みを浮かべ…。
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第17話
姫満(き・まん)自らが出陣したものの、西王母国との戦は負けが続いていた。一度も勝利を挙げられずに焦る姫満。策を練ろうと地図を見ていた彼の目に、“霧城”という地名が飛び込んできた。聞けば、その地は密林に囲まれ、年じゅう霧が立ち込めているのだという。そこに一筋の光明を見た姫満は、意気揚々と敵陣へ攻め入ってゆくのだった。やがて、敵兵と互角に渡り合うなか、彼はなぜか撤退の指示を出し、断崖絶壁へと追い詰められてしまう…。
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第18話
姫満(き・まん)はケガを負いながらも、敵陣から妲喜(だつ・き)を助け出した。自陣へと戻る途中、姫満は手負いの自分に構わず逃げるよう命じる。それに対し妲喜は、1人で逃げるくらいなら一緒に死ぬと答えたのだった。想い合う2人を天も味方したのか、追っ手を振りきり、何とか逃げ帰ることができた2人。しかし、そこには予想だにしない“障害”が待ち受けていた。兵たちは、大王が深手を負ったのは妲喜のせいだと訴え、彼女を罰するよう声を上げ…。
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第19話
姫満(き・まん)をひと気のない場所へ連れ出した妲喜(だつ・き)は、自分の正体は羽族の女王・西王母(せいおうぼ)であると告白した。困惑の表情を見せる姫満。妲喜自身も戸惑いの中にいたが、その証拠にと笛を鳴らせば、2人の周りを西王母国の兵が取り囲んだ。周国の大王・姫満に愛を捧げる宮女・妲喜と、周に敵対する国の女王―2つの立場の間で板挟みになりながら、彼女は民のために争いをやめるよう姫満に促すのだった。しかし、姫満の口から出た言葉は…。
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第20話 (最終話)
再会を果たした妲喜(だつ・き)と姫満(き・まん)。妲喜は、民を率いる互いの立場を考え、別々の道を歩むべきだと諭す。だが姫満は、一緒にいられるならば記憶を消してでも最初からやり直したいと、心からの想いを伝えるのだった。そこに現れた西王母国の国守は、姫満の覚悟のほどを確認すると、とある術を彼にかける。すると一瞬にして、妲喜も国守も消えた。気が付けば姫満は、“スマホ”という機械を突き出す見慣れぬ格好をした者たちに取り囲まれ…。
作品詳細
女料理人・妲喜(だつ・き)は、無類の美男子好き。高すぎる理想のせいで運命の人に巡り会えずにいたが、ある日、町で見かけた青年にひと目惚れする。相手が一品侍衛の少雍(しょう・よう)だと知った妲喜は、自分も宮仕えの身となって宮中に入り込み、彼に接近しようと企むのだった。しかし、いざ宮女になってみると、後宮を出ることは厳禁、外部の者との接触もご法度なのだという。しかし、それで諦める妲喜ではなかった。運よく宮中の地図を手に入れた彼女は、夜の闇にまぎれて、一路少雍のもとへ。少しでも近道をしようと縄を使って城壁をよじ登る妲喜だったが、よりによって大王・姫満(き・まん)に見つかり、逆賊だと勘違いされてしまい…。